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藤原さんの光と音と言葉
藤原シゲトシ写真展
「Fragrance of Gravity」2004.5解説 


 藤原さんは写真家であり、ギタリストであり、 不思議な言葉使いをする人である。

 藤原さんの写真は抽象的な事象を表現する。 写真を写すまでの段取りがちょっとおもしろい。 一本の木あるいは一枚の岩壁を前にしたとき、まずその場の空気を感じるためにうろうろする。 そして伊豆半島や日本列島からみたその場所の位置関係と方角を確かめ、目の前のものがどの ような意味を持っているのかを検証する。太陽の位置を見て、最適な撮影時刻を予測し、季節 と天気にあわせて何度でも足を運ぶ。
 そうやって写されるものは、主にそのディティール。日本列島を意識しながら、表現は岩の表 情だったり、曲がりくねった木の枝なのだ。「神様はディティールにいらっしゃる(谷川健一)」は藤原さ んが好きな言葉のひとつ。確かに風化された岩の表面は遥かな年月と、はかりしれない場の力 を感じさせる。過去から未来へ続く一瞬をとらえたと考えれば、その写真は人間の感じる美しさやはかなさというものを超え、人智の及ばない時空そのものの存在を表現しようとしている のかもしれない。

 藤原さんのギターは抽象的なメロディーを奏でる。闇の中にきらめく星々を連想させるような メロディーは究極の一音を求めている。ひとつひとつの音がまるで宝物のように響くのだ。あ る人は不思議な感覚にとらわれると言い、またある人は優しい音色だと言う。癒しだと感じる 人もいれば、戦闘的だと感じる人もいる。多くの違った評価を得ることは、ある意味抽象性を表現しようとするもののねらいなのか、音楽そのものの持つ特殊性なのか。あるいは抽象性を 表現しようとする時の自然の結果なのかもしれない。「音は場の様子を抽象化したもの」と彼 は言う。

 「言葉は物質、そして総ては関係性の中にある」らしい。「言葉は言葉で表せないものに憧れ る」と言う。「言葉と重力の間にあるのが、国家だったり、鉱物だったり、フラーだったりす る。そしてその間を"思い"が行き来して音となる。」「音は総ての事象がアブストラクト化され、 シンボライズされた場の有り様そのもの。」
 そんな藤原語録はともかく、写真もギターも表現されたとたん表現者の思いを離れ、見る者聴 く者の側にゆだねられる。だから気楽なのだ。

写真は光。光を発するものと光を反射するものを彼独自の視点で切り取っている。
音は波。正弦波の完璧な美しさは振動となって身体を刺激する。
言葉は愛。真実を伝える努力。

こんな文章を書きながら、私はにわか物理学者の気分を味わっている。

2004.4.22  A.T. (office SIN)






   
藤原シゲトシ写真展

「Fragrance of Gravity」2004.5 
花の写真解説 

ephemeralization(短命化)は、ドームで有名なバックミンスター・フラーが「より少ないものでより多くのことを成す ( more with lessing )」という定義付けをした造語である。 語源はephemeral(はかない、短命な)。花はこの言葉を連想させる。

花の命は短い。短い一生を終えることで、より多くを成そうとしている。実を結ぶまでのサイクルは多くの場合1年である。花が散り、実を結び、子孫を増やす。
毎年繰り返すことで多くを成し、種の存続をはかっている。風化された岩肌と古木の風格に比べ、なんとはかなく健気な営みだろうか。あでやかな姿の花々は、地球上に棲息する私たち生物の営みを代表しているかにみえる。
花薫る。
すべては重力の元で。

2004.4.22  A.T. (office SIN)






 
Para Market Spectscle
PEPPERLAND -May1999

…ギタリストでもあり、マニピュレーターとしての顔も持つ藤原は、6絃と12絃のアコースティックギターで、フォーキーかつエスニックでスピリチュアルな、ギターソロのステージ。 バロック、ルネッサンス・リュート・ミュージック、アイリシュ・トラッド、伊福部昭のギター曲からニュー・エイジ・ミュージックまで、そして、シタールの音色を思わせるようなオリジナル曲に展開させる技は、ギターを弾いたことがない者まで、永遠のゆったりとした時の流れや、まだ見ぬ異国の風景を感じさせ、ため息がでる ほどの空気感を創りだす。…





  パワーについての意識
ー藤原さんに学ぶー
BISY POOL Vol.4 -Nov1999


 10.24のシシリーアイランドでの藤原さんのライブで、「ファニーパワー」という曲を聴きました。その曲をやる前に藤原さんは、「最近の子にとってのパワーとは、ちょっと意味が違うと思う…」というような発言をしましたそして、私はその曲を、とてもやさしくて、かわいい、なつかしいオルゴールのように聴きました。そしてずっと考えました。(中略)誰だって、さしなことに傷ついたり、晴れた日にはただ嬉しかったり、すきな人が隣で眠っていたり、いい曲に突然出会ったり、そういう日常なんだけど、ふとトクンと胸うつもの、ふだんは意識しない血の流れのようだ。流れ溢れる前にあった小さな衝動、それこそが全てについてのパワーの元だ藤原さんがどういうことを言いたかったのか、それはギターの音の中から感じるしかないけれど、私はそれを考えるとトクントクンと胸をうつ、藤原さんのなめらかに動く指にまで、スルスルと流れる血が見えるような気がしました。…』

    

K.Kamei (BISY POOL)





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